2025春ドラマ

対岸の家事【礼子の職場はなぜ理解がない?】働く母の孤独に希望の光!

「子どもが熱を出したので休みます」——それを言うたびに、なんだか謝ってばかりいる気がする。

『対岸の家事』第3話では、礼子(江口のりこ)がまさにそんな状況に立たされます。

仕事もできる。母親としても必死にやっている。でも、両方を100%こなすことなんて、無理なのが現実。

職場に「また?」の空気が流れた瞬間、働く母親が背負う“見えない罪悪感”と“孤独”が静かに描かれていきます。

この回で描かれた職場の“冷たさ”は、誰かを責めているわけじゃない。ただ、社会に根深く残る「暗黙の期待」が透けて見えるからこそ、胸に刺さるのです。

この記事では、礼子の職場描写から浮かび上がる“働く母のリアル”を、視聴者目線で掘り下げていきます。

育児と仕事、“両立”という名のプレッシャー

礼子は元・営業部のエース。能力も責任感もあって、本来ならキャリアを一直線に突き進めていたはずの女性です。

けれど現実には、2人の子どもを育てながら職場に戻ったとき、元の部署ではなく“家庭優先が前提”の配置へ。

これは本人が望んだ結果でもあるけれど、それが

「育児中の人にはここが限界」

という無言のメッセージに見えてしまうのもまた事実です。

「また休み?」という視線が突き刺さる

おたふく風邪が連続して襲いかかる第3話では、礼子の育児負担が爆発寸前に。

会社は建前上、制度的には配慮してくれている。でも、どこかにある“腫れ物扱い”のような空気。

特に今井のような若手社員からすれば、「また僕が代わりか」というストレスがあるのも無理はありません。

だからこそ、「会社が冷たい」と単純に断じられない。

むしろこのドラマがリアルなのは、その“どちらも悪くないのに、気まずい”空気を丁寧に描いているところなのです。

本音を言えない関係は、すれ違いを生む

職場の人間関係でもっとも大切なのは、結局“ちゃんと話せるか”どうか。

第3話のラストで描かれたのが、礼子と今井の心の距離です。

今井は、礼子に言えずにいましたが、

「実は飼っている愛犬が癌で、有給はその看病のためだった」と打ち明けました。

でも、礼子は言われた。「それならそう言ってよ!」と。

そして、礼子もようやく吐露します。

「私も、毎日限界で…」と。

限界のサインは、言葉にしないと伝わらない

「言わなくても分かるだろう」「遠慮させてはいけない」——そう思って黙ってしまうことが、逆に関係をギクシャクさせる。

礼子も今井も、言えない優しさがすれ違いの原因になっていたんですね。

結局、働く母が孤立するのって、制度がないからじゃなくて、“支え合える空気”が作れないことなのかもしれません。

“理解ある職場”は幻想?それでも希望はある

第3話では、後輩社員の今井が、自分の愛犬が病気で看病のための休みを取りたかったにもかかわらず、有給休暇を別の理由で申請していたことが明かされました。

愛犬の看病とは言い出しづらかった——その気持ちは、育児で休むことに引け目を感じていた礼子には痛いほどわかります。

この出来事をきっかけに、礼子は今井の立場や本音にも寄り添えるようになり、

「もっと働きやすい会社にしたい」

と提案まで始めます。

福利厚生や有給取得の空気づくりについて、自分から声を上げる礼子の姿に、希望の光を感じました。

「理解ある職場で働きたい」——それは誰もが願うこと。

でも、全てを完璧に受け入れてくれる場所なんて、現実にはなかなか存在しません。

ただ、今回のエピソードが救いだったのは、今井のように“事情を知って歩み寄ってくれる人”が描かれていたことです。

大事なのは、対話とお互いの余白

もともと礼子は、営業部時代には“仕事ができる人”として一目置かれていた存在です。

そんな彼女が、今回の経験をきっかけに、ただの「育児中の社員」にとどまらず、自らの体験を活かして会社全体を変えていこうとする姿勢には、確かな希望を感じます。

育児で辛い思いをした自分のような社員を一人でも減らしたい——そんな思いが、礼子を動かしていくのではないでしょうか。

そしてきっと、礼子はこれから“働きやすい会社”を本気で作ろうとしてくれる、そんな未来が見えた瞬間でした。

礼子も今井も、それぞれの弱さや限界を“言葉にして共有”したことで、少しずつ変わり始めました。

制度や配置よりも、人と人が理解し合おうとする気持ちこそが、一番の働きやすさを生むんだと感じます。

まとめ|「ごめんなさい」じゃなく「ありがとう」で働ける職場を

礼子のように、頑張り屋で責任感が強い人ほど、助けてもらうことに罪悪感を抱えがちです。

でも本当は、「ごめんなさい」じゃなくて「ありがとう」と言える空気が、何より大切なんだと思います。

ドラマ『対岸の家事』第3話は、そんな“働く母の心の叫び”をそっと代弁してくれた回でした。

これを観て、「自分だけじゃない」と救われた人はきっと多いはず。

礼子の未来に、そして私たち自身の働き方にも、優しさと余白が広がっていきますように。

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