2025春ドラマ

対岸の家事 第3話ネタバレおたふく風邪が繋ぐ縁と中谷の衝撃発言―詩穂と礼子の選択

“助け合い”って、どこまでが善意で、どこからが負担?

「対岸の家事」第3話では、礼子(江口のりこ)の子どもたちが相次いでおたふく風邪に倒れ苦境に立たされます。

代わりに面倒を見る詩穂(多部未華子)、中谷(ディーンフジオカ)の価値観、そして“肩代わり”と“肩を貸す”という言葉の違い。

家族、仕事、友情、そして自分自身の在り方——それぞれの立場で揺れる彼女たちの決断が、視聴者の心にも静かに問いを投げかけます。

「対岸の家事」第3話のあらすじ(ネタバレ有り)と感想です。

「対岸の家事」第3話のあらすじ(ネタバレあり)

おたふく風邪、ママたちの現実を動かす

長野星夏(吉玉帆花)がおたふく風邪にかかり、礼子(江口のりこ)は大ピンチ。

1週間も仕事を休むなんて無理…。

そんな中、村上苺(永井花奈)はすでにおたふくを済ませていたため、村上詩穂(多部未華子)が1日だけ星夏を預かることになります。

しかし、それを聞いた中谷達也(ディーン・フジオカ)は一言。

「それ、無償なんですか?」

と冷静に質問します。

友達だからといって無償で預かることに、違和感を持つ達也。

詩穂にとっては当然の“助け合い”でも、達也にとっては“労働の対価”が発生して然るべきものでした。

礼子の葛藤と、会社の変化

会社では意外なことに、上司の今井尚記(松本怜生)が礼子に「休んでください」と言ってくれる。

新しい社内改革のおかげで、有給取得がしやすくなっていたのです。

思わず拍子抜けする礼子に、安堵が広がります。

しかし安心も束の間、今度は次男の長野篤正(寿昌磨)までおたふくに…。

今井は元々今週有給予定だったため、礼子が早く復帰してきたことで

「無理をさせているのでは」

と疑念が生まれます。結果、仕事は今井が請け負うことに。

けれど現実はそう甘くない。

礼子は仕事もうまく回らず、家でも心が休まらず、深いため息をつくことになります。

詩穂への8万円、助けか依存か

篤正の面倒を見ることができないと悟った礼子は、詩穂に「1週間分として、8万円で預かってほしい」とお願いをします。

詩穂は一瞬戸惑いながらも礼子の子どもを預かりました。

しかしその夜、お金を返しに行き、「自分はこれを“仕事”にするつもりはない」と、静かに礼子に伝えました。

家事や育児は、自分の中でちゃんと“役割”として大切にしたい。

それができなくなるのは嫌だ。

自分は不器用だから、一つひとつ家族に対して丁寧に向き合っていきたい。

そんな詩穂のまっすぐな想いに、礼子は黙って耳を傾けます。

「肩代わりじゃなくて、肩を貸す——それくらいの方が、お互いラクだと思うんです」。

礼子がもらった“ことば”の救い

礼子は、自分が家でも職場でも他人に“肩代わり”してもらっているようで、罪悪感に押しつぶされそうになります。

けれど詩穂は、あの日屋上にいた礼子の涙を「見なかったことにしたくなかった」と言いました。

たった一言でも、誰かの存在を否定しない。

母が呼んでくれた絵本に、船の上の雨は雨なのか海水なのか分からないという話があったことを話す詩穂。

詩穂に苦しみをわかってもらい、それだけで自分の心が救われることがあるのだと、礼子の表情は少し柔らかくなっていきます。

そして、いつも支えてくれる今井にさえ、礼子は気づかぬうちに“話しづらい空気”を作っていたことを知ります。

そんなある日、今井が休憩スペースで一人、泣いていました。

その理由は、大切に育ててきたチワワのココアが癌になり、余命1ヵ月と宣告されたからでした。

「有給は、その子のために取ったんです」

礼子は胸が締めつけられ、詩穂が話してくれた「船の雨」だと気づきます。

今井は礼子の頑張る姿を見て、自分の弱さを言えなかったという。

けれど礼子も、もう素直にならざるを得ませんでした。

「私だって、毎日限界…」

少しずつ、“頑張るしかない”という呪いから解かれていく礼子の姿が、静かに胸に響きます。

印象に残ったシーンとセリフ

「それ、無償なんですか?」達也の問いが突き刺さる

“助け合い”という言葉が美徳とされる一方で、そこに労働が発生しているのもまた事実です。

達也の問いかけは、家事・育児の“見えない価値”を一刀両断にするような鋭さがありましたね。

これまでの価値観にモヤっとしつつも、自分のスタンスを言葉にできなかった人にとって、ハッとさせられる一言だったのではないでしょうか。

「肩代わりじゃなくて、肩を貸す」詩穂の優しさ

完全に背負うのではなく、少しだけ力を貸す。その違いが大きい。

誰かの代わりをするというのは、時にその人の“存在”まで否定してしまうような感覚になる。

だけど、隣にいてくれるだけで、寄り添ってくれるだけで、救われる場面って確かにありますよね。

感想と考察

ママ友との関係って、一線を引いてしまいがちですよね。

だけど詩穂は、礼子とすごくいい関係を築いていると思いました。

やっぱり、お金を受け取ってしまうと、「仕事」になってしまう。

礼子の息子に何かあったなら、詩穂の責任は重大です。

命を預かるということは、本当に想像以上の責任がありますからね。

詩穂も、ただの“いい人”ではなく、自分の境界線をちゃんと持っている点がすごく好感を持てました。

そのうえで「肩は貸せる」と言ってくれる優しさに、グッとくるものがあり、これなら礼子との関係も長く続くものになりそうと思いました。

また、礼子の後輩・今井くん役を松本怜生さんが演じています。

朝ドラ「おにぎり」で、書道部の風見先輩役を演じていましたね。

今井くんのように、ペットも家族。

看護や介護をしたいのに、職場にはなかなか言い出せない苦しみもよくわかるし、

子どもの件で休みが取れない、その両方の経験をしてきたので、二人の苦悩がよくわかり「そうなんだよね・・・」と思わず納得しました。

まとめ

第3話は、“助ける・助けられる”という関係性の境界がテーマでした。

育児も家事も仕事も、誰かに代わってもらうことは悪いことじゃない。

けれど、それが「当然」となった瞬間、関係は簡単に崩れてしまいます。

詩穂と礼子は、お互いに「全部じゃなくていい」「少しだけなら貸せる肩がある」と言葉を交わせたからこそ、関係が深まった。

誰かのために動けるって、実はとても尊い。でも、無理してまでやる必要はない。

今、日々を頑張るすべての人にとって、この第3話は静かに背中を押してくれる一話だったのではないでしょうか。

次回は、詩穂の“家庭”の価値観がさらに揺れる…?注目です。

👉対岸の家事【礼子の職場はなぜ理解がない?】働く母の孤独に希望の光!

登場人物紹介

村上詩穂(多部未華子)

元編集者の専業主婦。家事と育児を丁寧にこなす一方で、「完璧でいたい自分」と「他人の期待」の間で葛藤している。

村上虎朗(一ノ瀬ワタル)

詩穂の夫で飲食店経営者。素直に感謝の言葉を伝えられる、実はかなり“できた夫”。

村上苺(永井花奈)

詩穂と虎朗の一人娘。天真爛漫で、周囲をパッと明るくする存在。

長野礼子(江口のりこ)

ワーキングマザーで、詩穂の隣人。職場では責任ある立場にありながら、家庭との両立に常に悩んでいる。

長野星夏(吉玉帆花)

礼子の長女。おたふく風邪が騒動のきっかけに。

長野篤正(寿昌磨)

礼子の次男。続けておたふく風邪を発症し、礼子の育児・仕事バランスをさらに揺るがす。

今井尚記(松本怜生)

礼子の職場の後輩。実は飼い犬・ココアのために有給を取っていた。礼子をさりげなく支える存在。

中谷達也(ディーン・フジオカ)

育休中の厚労省官僚。家事や育児の価値を“対価”で測る考えを持ち、詩穂とはたびたび価値観のズレが浮き彫りに。

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