第9話では、朝田パンの開業に胸を躍らせる一方で、嵩(たかし)と母・登美子の再会が描かれました。
しかし、それは嵩にとって“待ち望んだもの”ではありませんでした――。
『あんぱん』第9話(2024年4月10日)ネタバレ
登美子からの葉書に、嵩の心が弾む
朝田家に掲げられた新しい看板『朝田パン』。
石材店からパン屋へという家業の転換に、家族全体が前向きな空気に包まれつつありました。
そんな中、嵩のもとに一通の葉書が届きます。
差出人は、長らく音信不通だった母・登美子(松嶋菜々子)。
短く綴られた言葉の中には、息子を気遣う母の筆致が確かに感じられました。
『嵩、元気ですか。よい子にしていますか。母さんが迎えに行くのは、もう少しかかりそうですが……』
その文面を読み終えた嵩の表情は一変。
頬を赤らめ、胸を高鳴らせながら、「母さんから来た!」と叫びました。
その日から彼は、希望に満ちた目で母の絵を描き始めます。
白いパラソルを持った母の姿――嵩の心の中にある、理想の登美子像だったのでしょう。
千尋の高熱と「カアちゃまに会いたい」のひと言
その晩、嵩の弟・千尋が急な高熱を出して倒れてしまいます。
嵩はそっと隔離された部屋へ入り、千尋の手を握りしめながら問いかけます。
「千尋……母さんに会いたいか?」 「……うん、カアちゃまに会いたい」
その一言が、嵩の心を大きく揺さぶります。
自分だけでなく、弟も母を求めている――その気づきが、彼の背中を押しました。
母に会いに行く旅、そして知らなかった“再婚”の噂
翌朝、嵩の姿が忽然と消えます。
机の上には置きっぱなしのスケッチブックと画材箱。
焦る家族や女中のしんが探し回る中、町の呉服屋の女将が口にした一言が、物語に衝撃を与えます。
「嵩くんのお母さん、再婚したって聞いたけどねぇ」
それは誰も知らなかった“母の新しい生活”の存在。
これが嵩に伝わっていたら、彼はこの旅に出なかったかもしれません。
のぶはその言葉を聞き、顔色を変えます。
「自分のひと言が嵩を後押ししてしまったのではないか」と、悔しさと責任を感じるのです。
高知の豪邸で再会するも、母の口からは冷たい一言
長い道のりの末、嵩は高知市内の静かな住宅街にある一軒の立派な家に辿り着きます。
登美子の葉書に記されていた住所。
胸が高鳴りながらも、緊張と不安が入り混じるその瞬間。
「ごめんください!」
呼びかけに応え、重々しく開いた玄関から現れたのは、見たこともないような着物姿の登美子。
髪を大きく結い上げ、どこかよそよそしい空気をまとっています。
「……母さん……」
嵩が小さく呟くと、登美子の口から返ってきたのは衝撃のひと言。
「……何しに来たの……?」
期待していた「会いたかった」ではなく、突き放すような一言。
嵩の中に広がっていた“母との再会の物語”は、一瞬で崩れ去ります。
感想|夢見た再会が、一言で崩れる…嵩の胸中に迫る
今回の『あんぱん』第9話は、家族の希望と現実の狭間に揺れる嵩の繊細な感情の起伏が丁寧に描かれた回です。
葉書一枚に希望を抱き、弟の涙に背を押されて旅立った少年の勇気。
視聴者の誰もが「どうか報われてほしい」と願ったはずです。
しかし、現実は非情でした。
母・登美子の「何しに来たの?」という一言は、思春期の嵩にとってあまりにも大きな痛み。
あの瞬間、画面越しに心がギュッと締め付けられた方も多かったのではないでしょうか。
今後、登美子がどんな背景を抱えているのか、嵩との関係はどう動くのか、次回以降の展開に目が離せません。
まとめ|第9話のポイント
- 朝田パン、いよいよ本格始動!家族に希望が戻る
- 嵩、母からの手紙に胸躍らせ、母の絵を描く
- 千尋の「カアちゃまに会いたい」で嵩が旅に出る決意
- 登美子の“再婚”という噂が町でささやかれる
- 高知で再会するも、母からの第一声は「何しに来たの?」
登場人物(第9話キーパーソン)
嵩(たかし)…母への想いを胸に、たった一人で再会を果たそうとする少年。
登美子(とみこ)…嵩と千尋の母。高知の豪邸で新たな生活を始めている?
のぶ…嵩の変化に気づきながらも、背中を押してしまったことに戸惑う。
千尋…兄に「母さんに会いたい」と本音を漏らし、嵩を動かしたきっかけとなる。
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